視覚技術

人の視覚のように,そして人の視覚を越えて – 視覚を技術する

巷に溢れるディジタルカメラやスマートフォンなどの映像メディアによって,私たちの生活は便利に,そして豊かになりました.しかしながら,それらの映像メディアでは映像情報を取り込み,符号化し,認識するという私たちの視覚機能には遠く及ばないことも事実です. このプロジェクトでは,視覚に関する基礎研究で得られた知見を「技術」として結晶させることを目的に,以下のような様々な問題について取り組んでいます.

光源設計

私たちがモノを見るうえで,光源は非常に重要な要素です.例えば,物体を観察する際,光源のスペクトルによって物体の見え方は大きく変化します.本プロジェクトでは,任意のターゲットの色の違いを強調するといった(例: ジャム中の異物を強調),特殊な機能を持った光源 “機能性光源” の設計・開発を通して,異物検出補助光源など,付加価値を持つ光源を実現する研究をしています.


イメージング

私たちは視覚情報から多くの情報を得ていますが,食べ物の鮮度や果物の糖度といった,ヒトの視覚だけでは取得・定量化が困難な情報も存在します.本プロジェクトでは,分光・蛍光情報を利用した目に見えない情報の可視化を通して,社会上の様々な問題の解決を模索しています.




色覚異常に関する研究

ヒトの色覚は,錐体の分布によって人ごとに異なります.この,赤,緑,青付近の光にそれぞれ反応する3種類の錐体細胞のうち1種類以上の働きが一定以上弱いと色覚異常が生じます.色覚異常の人は,赤と緑の差異が分かり難いなど,色知覚が人と大きく異なる場合があります.先天性の色覚異常は,日本人男性の約5%,女性の0.2%がもっているとされています.色覚異常を持つ人が少数であること,また他人の色知覚を直観的に共有することが困難なことから,色知覚の差異によって見えにくい色表現が存在することの理解が難しいという問題があります.

現代社会において、例えば、警告や路線図、ハザードマップといったあらゆる情報において、色情報は大きな意味を持ちます.本プロジェクトでは,色覚異常を模擬するフィルタ・光源の設計と開発を通じて,社会における色覚異常への理解とカラーユニバーサルデザインの重要性の周知に貢献しています.



その他の研究

本研究室では,他にも様々な研究を行っています.




過去の研究一覧

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