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視覚脳波グループ

視覚脳波
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視覚に関する基礎科学(脳の仕組み)から応用技術(脳を活かす)へ
- 視覚に関する脳波を研究する

 

 近年の脳波研究の進歩はめざましく,神経系の機能が解明されつつあります.しかし,脳の仕組みはいまだ未開拓な部分が多いことも事実です.そこでこのプロジェクトでは,視覚に関する脳の働き,仕組みを解明することを目的としています.またそれだけにとどまらず,脳の仕組みから,脳と社会をつなぐ,脳を活かす技術であるBCI (Brain-Computer Interface)への応用にも取り組んでいます.

 

 

基礎科学 - 脳の視覚情報処理システムの解明

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オドボール課題時の脳活動を脳波計EGIネットステーションシステム300で計測・解析した結果

 

 脳波の一種である事象関連電位(Event-Related Potentials:ERP)は,特定の事象に同期して生ずる脳活動に由来した脳表面電位であり,ヒトの認知・心理活動に関わる脳メカニズムを理解する手がかりとして注目されています.本研究室では視覚課題を遂行しているときのERPを計測し,どのタイミングでどの脳部位が活動するかを解析することで,脳の視覚情報処理システムの解明を目指しています.

 

顔認知処理に与える色情報の影響

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 私たち人間にとって,顔は個人の特定,感情,意思の伝達の際に不可欠であり,重要な意味を持ちます.本研究室では,顔の持つ情報の中でも特に顔の色情報『顔色』に着目して研究を行なっています.日本語には「顔色を伺う」という言い回しがあるように,私たちは顔色から様々な情報を読み取っています.こういった顔色に関する処理は脳内でどのように行われているのでしょうか?その答えを見つけるべく,優れた時間特性を持つ脳波や,機能的MRIなどを使って脳の活動を計測する実験を行なっています.また,計測するだけでなく脳に外部から刺激を与える装置(tDCSやTMS)も用いることで,多方面から顔色の関する脳内メカニズムについて調査しています.

 

[関連論文]
Kongthong N, Minami T, Nakauchi S (2014). Gamma oscillations distinguish mere exposure from other likability effects. Neuropsychologia 2014 Feb;54:129-38. [外部リンク]
Kongthong, N., Minami, T. and Nakauchi, S.(2013), Semantic processing in subliminal face stimuli: An EEG and tDCS Study, Neuroscience letters, Vol.544 No.7, pp141–146 [外部リンク]
Nakajima,K.,Minami,T.,M. and Nakauchi,S (2012). The face-selective N170 component is modulated by facial color,Neuropsychologia,Vol.50,pp. 2499-2505 [外部リンク]
横田悠右,南哲人,中内茂樹 (2011),聴覚-視覚プライミングおよび不自然な視覚刺激が脳波事象関連電位およびガンマ帯振動に与える影響,電子情報通信学会論文誌D, Vol. J94-D, No.9, pp.1579-1588 [外部リンク]
Minami, T., Goto, K., Kitazaki, M and Nakauchi, S (2011). Effects of color information on face processing using event-related potentials and gamma oscillations, Neuroscience Vol.176, pp. 265-273 [外部リンク]
横田悠右,南哲人,中内茂樹 (2011),ERP に基づく視覚刺激における不自然さの推定, 日本感性工学会論文誌 Vol.10 No.2 pp.277-286 [外部リンク]
中島加惠,南哲人,中内茂樹 (2010.02) 記憶色の強さが事象関連電位P3に与える影響 日本感性工学会論文誌 Vol.9 No.2 pp. 235-242 [外部リンク]
Minami,T.,Goto,K.,Kitazaki,M. and Nakauchi,S (2009). Asymmetry of P3 amplitude during oddball tasks reflects the unnaturalness of visual stimuli,NeuroReport,Vol.20,pp. 1471-1476 [外部リンク]
後藤紀美子,南哲人,北崎充晃,中内茂樹 (2009) 顔認知処理に与える色情報の影響と時間特性 日本感性工学会論文集 Vol.8 No.3 pp. 527-534 [外部リンク]

K Nakajima, T Minami, S Nakauchi - Scientific reports, (2017), Interaction between facial expression and color, Scientific reports, vol.7 [外部リンク]

 

無関連な情報が対象への感情判断に与える影響

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 スーパーなどで買い物をするときに,我々は商品の情報を正しく理解し,選択できていると思いがちですが,実は商品とはまったく関連のない情報によって判断・評価が行われてしまうことがあります. 例えば,カフェで飲んだコーヒーが美味しいと感じた時に,実は,その日の天気が良かったり,店舗の雰囲気が良かったり,仕事が成功した後に飲んだから美味しく感じてしまったのかもしれません.こうした無関連な情報による評価の誤った影響は,感情誤帰属効果と呼ばれています.我々の研究室では,感情誤帰属が起きる際の脳活動を脳波やfMRIなどを用いて計測する事で,感情処理と認知処理の相互関係について調査を行っています.

 

運転技能の違いは脳活動に反映されるか

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 加齢による運転技能の低下は現代社会における非常に重要な問題となっています.実際に発生した事故の概要をドライバーの年齢層によって分けて見てみると,ドライバーの年齢が高くなるほど出会い頭の事故が増えていることが分かります.これまでの先行研究において加齢による有効視野( UFOV : Useful Field Of View)の低下が運転技能と密接に関連していることが知られています.また,脳活動においても加齢による変化は数々発表されています.そこで我々の研究室では若年,高齢のドライバーを用いてUFOVテストのようなタスクを行っているときの脳波を記録,解析することによって脳活動に現れる運転技能の違いについて調査を行っています.
 

 

基礎科学 - 眼球運動測定による認知メカニズムの解明

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視覚刺激呈示時の被験者の瞳孔径

 

 本研究室では脳波測定だけでなく,眼球運動測定による瞳孔径の解析も行っています.私たちの瞳孔は明るさによって散大・収縮することはもちろんのこと,視覚刺激を見たヒトの感情状態を反映することでも知られています.本研究室では脳波測定と同様に視覚課題を遂行しているときの眼球運動を測定し,瞳孔径の情報からヒトのあらゆる認知メカニズムを調査しています.

 

 

応用技術 - BCIや脳活動デコーディングへの応用

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 脳科学の発展は目覚しく,これまでの脳活動の信号変化を見る研究からさらに進んで,計測された脳活動信号からマインドリーディング(心を読む)を行う研究が国内外で活発になっています. そこで本研究室では,最新の脳波計を利用して実験を行い,実際に計測した脳波データから高次の認知活動・感性情報等を取り出す方法について研究しています.

キーワード:脳波,BCI (Brain-Computer Interface), 脳活動デコーディング,機械学習

[共同研究]
豊橋技術科学大学北崎研究室 [外部リンク]
・豊橋技術科学大学GCOE

[関連論文]
高井英明,南哲人,長谷川良平 (2011),P300に基づく認知型BMIにおける効率の良い刺激提示方法の検討, 日本感性工学会論文誌 Vol.10 No.2 pp.89-94 [外部リンク]

 

ニューロマーケティング(平成21年度〜平成22年度)

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 近年,商品や広告に対する消費者の反応を脳活動から分析し,ブランド開発や広告評価などに応用しようという動き(ニューロマーケティング)に注目が集まっています.人は商品を選ぶ時どのようにしてその商品を選ぶのでしょうか.値段,パッケージデザイン,広告など様々な要因がありますが,中でも商品・企業などのイメージキャラクタはマーケティングにおいて重要な要素であると言われています.そこで,本研究室では商品キャラクタを見たときに脳波に表れる影響について研究を進めています.

[共同研究]
産業技術総合研究所 [外部リンク]

[関連論文]
Hashimoto, Y., Minami, T. and Nakauchi, S (2012), Electrophysiological differences in the processing of affect misattribution, PLoS ONE 7(11): e49132 [外部リンク]
橋本陽平,南哲人,長谷川良平,中内茂樹(2011),商品キャラクタに対する認知状態と脳波の関連 日本感性工学会論文誌 Vol.10 No.2 [外部リンク]

 

視覚情報理解度の抽出・判別(平成20年度〜)

 

 上の画像が何の画像かわかりますか? マウスカーソルを画像の上にのせると画像が切り替わります. そして再度マウスカーソルを画像から離すと初めに画像を見た場合に比べて,はっきりわかるようになったと思います. 答えを見せることで知覚状態の遷移を作り出せると考えられます. また,近年,明滅した画像を見せることで生じる脳波成分(定常状態視覚誘発電位:SSVEP)が知覚状態の変化を反映していると報告されており,SSVEPに着目したアプローチ方法が注目されています. そこで,我々の研究室では,画像を明滅表示させたときの脳波を計測し,そこから知覚状態(あいまいorはっきり)の抽出・判別を行っています.


[関連論文]
Minami T, Noritake Y, Nakauchi S (2014). Decreased beta-band activity is correlated with disambiguation of hidden figures. Neuropsychologia, in press. [外部リンク]
則竹洋介,南哲人,中内茂樹 (2011),単一試行に対するEEGを用いた2値化された隠し絵の知覚状態推定、電子情報通信学会論文誌D, Vol.J94-D, No.7, pp.1145-1153 [外部リンク]

 

 

 

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